X JAPANの9thシングル「Tears」のレビューです。
X JAPAN 9thシングル「Tears」
リリース情報
「Tears」は、1993年11月10日にリリースされた9th(X→XJAPAN改名後の第一弾)シングルです。
(私が1992年にX JAPANのファンになった後、初めてリアルタイムで買った思い出深いシングルでもあります)
作詞:白鳥瞳&YOSHIKI、作曲:YOSHIKI編曲:X JAPAN。10:30の曲です。
カップリングは、「Tears (Classic Version)」。
売り上げは836,940枚で、本作がX JAPAN(X時代も含む)最大のヒット作になりました。
制作エピソード
「Tears」制作にも様々なエピソードが残っているので、紹介していきます。
もともとは、1992年紅白テーマソングの曲だった
1992年第43回NHK紅白歌合戦のテーマ・ソングとしてYOSHIKIが書き下ろした「Tears ~大地を濡らして~」が元の曲で、それを気に入ったHIDEがYOSHIKIにX JAPANの曲としてレコーディングをするようアドバイスしたという逸話が残っています。
紅白だけあって、歌手のみなさん豪華メンバーですね!!
YOSHIKIが亡き父を思って作った曲
YOSHIKIはこの曲が亡き父親に対して「いつか、自分は父の年齢を越えるだろう」と想って書いた曲だそうです。
シングルのオリジナル・バージョンは曲の終わりのYOSHIKIの語りの部分が長く作られていますが、バラードだけを集めたアルバム『BALLAD COLLECTION』に収録されたものはその部分を大幅に削っていて、演奏時間は7分12秒まで短くなっています。
X JAPAN再結成後は、YOSHIKIが故人である父親の年齢を追い越したため、語りの詞が一部変更されています。
前:Someday I’m gonna be older than you(いつか僕は貴方より年を取るだろう)
後:Now I’m older than you(今、僕は貴方より年上になった)
私も自分の誕生日を迎える度、「HIDEちゃんより〇歳年上になっちゃったな~」と考えてしまいます。(涙)
HIDEは私よりも14歳年上だったのに、時間が経つのは早いですね・・・。
メンバーも思い入れのある曲
「Tears」はHIDEが最も愛した曲だったといわれ、X JAPANにとっても特別なバラードだそうです。
Toshlも、「Tears」を最も好きな曲の一つに挙げています。
X JAPANの再結成前にYOSHIKIがToshlとカラオケに行った際には、この曲をToshlにリクエストしたというエピソードも残っています。(Xのメンバーもカラオケ行ったりするんですね・・・。)
X JAPANのメンバー
小泉元総理の本当のお気に入りの曲
また、小泉純一郎元首相は先述の『BALLAD COLLECTION』を愛聴しており、その中でも「Tears」が一番好きで自民党の選挙のテーマソングに起用したかったそうです。
しかし、「選挙に”Tears”というのは縁起が悪い」と周りに反対され、「Forever Love」に変更したという経緯がありました。
もし小泉元首相の希望通り「Tears」が選挙のテーマソングに選ばれていたら、「Tears」の知名度は劇的に上がり、Xのバラードの中で一番の代表曲的存在になっていたかもしれません。
(現在は「Forever Love」がX JAPANのバラードの代表曲的扱いになっていますが、個人的には「Tears」の方が好きです。)
小泉元首相といえば、YOSHIKIの人生を綴ったドキュメンタリー映画「We are X」を、女性とデートで観に行ったと話題になっていましたね。
そして、小泉元首相はHIDEの出身地・横須賀の政治家だったので、hide MUSIUM(2000年開館・2005年閉館)の設立案が出た時、横須賀の市長と京浜急行の社長に「これは町興しにもなるからぜひやったほうがいい」とかけあって後押しをしてくれた人でもあります。Xファンにとっては恩人ですね。
「Tears」シングルレビュー
では、毎回恒例の動画と共に送る、HIDEファンよりのミーハー解説をご覧ください。
「Tokyo Dome 1993.12.30 – RETURNS」より。(日本語・英語両歌詞付きでどうぞ)
0:04 YOSHIKIのはにかむ笑顔が可愛い☆(曲関係ないですね、すみません)
0:10 まずは美しいストリングスから始まります。
0:38 「何処に行けばいい 貴方と離れて・・・」いきなり切ない歌詞とメロディで泣きそうになります。
1:04 Bメロ開始。「異国の空見つめて 孤独を抱きしめた」は、X JAPANの世界進出でロサンゼルスに拠点を置いた後、YOSHIKIがサンタモニカビーチから太平洋を眺めて、日本を想って出てきた歌詞ではないかと勝手に妄想。海を隔てた向こうには彼の生まれ故郷の館山もあるしね。
1:30 サビ開始。この”貴方”というのが別れた恋人とかではなく、亡くなった父親だと知ると、また曲の世界がガラッと変わりますね。ファンと一体となった「Dry your tears with love…」の合唱は何度聴いても感動モノです。(涙)
2:06 1番の歌が終わるのですが、ここのYOSHIKIのピアノの旋律が優しすぎて涙腺を刺激します。個人的泣きポイント。
2:17 ギター・ベース・ドラムの楽器隊の音が入ります。新たな音が加わって、感情が高ぶります。
2:23 2番は全て英語詞です。私は英語が大の苦手でしたが、気合で覚えました。(笑)
3:52 2番も終わり、HIDEとPATAのツインギターの出番が来ました!!(HEATHにもスポットライト当ててあげて!!)
4:39 この辺りはTV出演時もHIDEのアップが多く、「Tears」内でHIDEファン最大の見どころとなっております☆
5:01 「終わらない悲しみを 青い薔薇に変えて」・・・「Tears」ジャケットのメンバー写真のYOSHIKIのところは青い薔薇になっているし、青い薔薇は、当時のYOSHIKIのマイブームっぽい。
6:13 ボーカルが歌い終わった後のストリングスとYOSHIKIの語りが長いのですが、この余韻を残しながら終わるところも好きです。
クラシックバージョンもオススメ
YOSHIKIは定期的にクラシックコンサートを開催していて、自ら作った曲をオーケストラで聴かせてくれます。
「YOSHIKIは4歳からピアノを始めクラシックから音楽に入り、高校時代は音大受験用の勉強をしていた」というのは、ファンの間では有名なエピソードですよね。
そんな素養があるので、クラッシックバージョンの楽器の音も譜面で書くというのがカッコいい。
僕は絶対音感があるので、音を聞けば全部譜面に書けます。ピアノを使わない場合も多いから。
音楽オーケストラの場合、基本的にまず四重奏を書くんです。そうするとそこから一気に広げられるので。今回、四重奏/六重奏を書いて、そこから「これをフルートにしようかな…」とかアメリカのアレンジャーと一緒に進めています。
激しいロックと、育ちの良いクラシック・・・YOSHIKIのギャップ萌えなところですね☆
何かのライブ映像で譜面を見ながらドラムを叩くYOSHIKIを見たのですが、その姿にキュンキュンしちゃいました。(笑)
YOSHIKI、28年ぶりの写真集『XY』発売
音楽家としてだけでなく、日本人男性初の『VOGUE JAPAN』や『Numero TOKYO』の表紙など、ビジュアル&ファション面でも人々の熱視線を浴び続けるYOSHIKI・・・。
『XY』はハリウッドの一流のスタッフたちの手によってYOSHIKIの美しさが余すことなく詰め込まれ、ファッショナブルでモードな写真集に仕上がっています。
また、30分にわたるメイキングDVDには、撮影の様子や女性カメラマンMelanie氏を聞き手としたYOSHIKIの撮影直後の英語インタビューもたっぷり収録されていて、ファン必見の映像です。
写真集とメイキングDVDを収録した「豪華化粧箱」、あなたのご家庭にもおひとつどうぞ♥
収録アルバム
オリジナル曲収録
※『DAHLIA』はオリジナルアルバム、『WE ARE X オリジナル・サウンドトラック』はタイトルそのまま、その他はベストアルバムです。
クラシックバージョン収録
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終わりに
「Tears」シングルレビュー、いかがでしたでしょうか?
「Tears」はメンバーの思い入れの強い曲なので、その美しさをみなさんにももっと知っていただきたいです。
そして、「Tears」クラシックバージョンもまた別の味わいがあっていいので、是非聴き比べてみてくださいね。