X JAPANの16thシングル「SCARS」のレビューです。
X JAPAN 16thシングル「SCARS」
リリース情報
「SCARS」は、1996年11月18日にリリースした16作目のシングルです。
4thアルバム『DAHLIA』からのリカットシングル。
作詞・作曲:HIDE 編曲:X JAPANの曲。
収録時間は、5:06。売り上げは155,790枚。
カップリングは、1997年初頭に発売が予定されていたものの中止となったリミックス・アルバムに収録予定だった、ロブ・クラーリによる「White Poem I(M.T.A. Mix)」。(収録時間は3:27)
両A面シングルである「Standing Sex/Joker」を除いては、最初で最後のHIDE作のシングルであり、YOSHIKI以外のメンバー作の曲がシングル1曲目に収録されたのは本作のみです。
HIDEがTAIJIを想って書いた曲!?
ファンの間では、「SCARS」の歌詞は「HIDEがTAIJIを想って書いた曲では!?」と話題になっています。
2人の息が合った感じが伝わってくる1枚。
一緒に入れたタトゥー
「ふさがる傷あとに4文字のTATOO」という歌詞があるのですが、これを聴くとファンは「TAIJIがタトゥーを入れるというので、HIDEが付き合いで一緒に入れた」というエピソードを思い出します。
TAJIのタトゥーは赤い薔薇で、下には「LOVE」の文字が入っています。
HIDEは人前で腕を出さないので、タトゥーの絵柄は確認しづらいのですが・・・
サーベルに青い薔薇が巻き付いているデザインだそうです。
※青い薔薇といえば「Tears」のYOSHIKIを連想させますが、2人がタトゥーを入れた時期はそれよりもっと前です
HIDEは、インタビューでタトゥーを入れた経緯についてこう語っています。
入れ墨はロスで入れたんです。TAIJIが強く入れたがったもんで、俺は付き合いで。
付き合いで一生のものを入れるなって。(笑)
親に申し訳なくてね。お母さんすいません、私は墨を入れてしまいました。(笑)
他人に合わせてタトゥーを入れて、しかも同じ花を選ぶなんて、バンドのメンバー以上の強~い絆を感じますよね。
歌詞の”四文字のTATOO”は、TAIJIのタトゥーの「LOVE」を意味すると連想するのは安直すぎるでしょうか?
また一緒に曲を作りたいという思い
この気持ちが伝わってくる歌詞は以下の2つです。
「君の壊れたメロディ 2度と交わらず」
「2度と語る事もない 詩たちに祈りを」
TAIJIがX在籍時には、HIDEとTAIJI合作の曲がいくつかありました。
HIDEはTAIJIをベーシストとしてだけでなくミュージシャンとして大変尊敬していたので、TAIJIともっと曲を作りたかったのではないでしょうか?
TAIJIの自書伝『Xの生と死』は、HIDEとの共に作った幻の未発表作「JUNGLE」のCD付き。
また、全く別の説で「HIDEのボツになった曲へのレクイエム」という検証もあり、上記の歌詞を見るとそれも納得という気がします。
TAIJIの脱退を止められなかった後悔
「まぎれもなくいつくしみを 分かち合った日々を」
売れない下積み時代~TAIJIの脱退直前まで、2人が色々と労苦を分かち合ってきたことは想像に難くないです。
「耳の奥で泣きじゃくる詩の 繰り返す声が胸をかきむしる」
「TAIJIがルールを破った」という理由により、YOSHIKIの一存でTAIJIは脱退させられます。
XのリーダーであるYOSHIKIの決断は絶対的なものなので従うしかなかったのですが、「ずっとXのメンバーでいたかった」というTAIJIの泣きじゃくる心の声(=詩)に応えてあげられなかったHIDEの無念さが、この歌詞から伝わってきませんか?
「いつか2人望んだ明日の景色は 紫の香りたつ幸福にまみれた」
「紫の香り=紫煙=タバコ!?」と連想してしまいますが、タバコの匂いが充満するライブハウス時代を思い出しているのでしょうか?
またX初期の頃のTAIJIは紫色の衣装をよく身にまとっていたので、一緒にステージに上がってまたあの頃のような幸福感を味わいたかったのかな~と考えてしまいます。
TAIJI、紫色がよく似合ってますね。
「今は白く開いた明日を待ちかねて 目を開き踏み出せば 後ろ髪つかむお前の手が」
この歌詞を聴くと、TAIJIがXのメンバーとして最後に出演した1992年1月7日の東京ドームライブ「破滅に向かって」の終演後の夜が思い浮かびます。
HIDEが、TAIJIの残像を振り払って新たな一歩を踏み出そうとするが、後悔の念がTAIJIの腕となって自分の髪をつかむ(=頭から離れない)」というイメージが、歌詞からは浮かんできます。
HIDEは生前に「『SCARS』はTAIJIを想って作った曲」という言葉は残していません。
上記はあくまで筆者の深読み&憶測です。
「SCARS」レビュー
それでは「SCARS」の動画を、相変わらずHIDEよりの熱のこもったレビューと共にどうぞ。
ライブバージョン
1996年12月31日 東京ドーム LAST LIVEより
0:00 あれ?HIDEのソロコーナー?といういうくらい、HIDEの主役感ハンパない始まり方。
0:53 HIDEのナレーションから始まりますが、ソロ活動でボーカルの経験を重ねて余裕が感じられますね。
1:06 TOSHIがバックコーラス?というくらい、HIDEが前面に出ています。
1:50 ギタリストとして切り変わる瞬間。はぁ、どっちもカッコイイ☆
2:00 ここからドラム開始。YOSHIKIは「SCARS」のドラムが難しいと言っていたそうです。
2:12 PATAのギターとHEATHのベースも開始。この曲は全体的にベースもカッコイイので、HEATHが大活躍です。
2:36 ここからTOSHIのボーカルの1番が開始。ヘヴィなサウンドにTOSHIのハイトーンボイスが突き刺さりとっても映えます。
2:48 HIDEのハモリがTOSHIのボーカルと相性抜群で、聴いていて気持ちがいい☆
3:27 サビでもHIDEのハモリが入ってファンには嬉しい限り。コーラスしながらギターをかき鳴らすHIDEちゃんって、なんでこんなにセクシーなんでしょう。(惚)
4:03 ここからHIDEとPATAのツインギターがカッコいいんですわ!!ちょっと世界観がhideソロの「HONEY BLADE」の間奏に似ているような・・・。(今後hideソロについても記事書いていきますから、よろしくお願いします)
4:31 HEATHのベースの魅せどころ。ヒーちゃんカッコイイ☆
4:36 TOSHIのボーカルが冴えわたります。「Oh~」が伸びやかで心地いい。
5:39 だから・・・サビの部分のHIDEのハモリが色気ダダ漏れなんだってば・・・。(なんとかしてください)
6:06 良いタイミングでHIDEの側に寄るTOSHI。名残惜しい2ショット・・・。
6:39 HIDEの印象的なギターの音で締めます。HIDEのための曲と言っても過言ではない。
8:05 曲の後ですが、HIDEがTOSHIを元気づけてTOSHIが笑顔になっているのが印象的です。HIDEが最後までムードメーカーだったのが伝わってきますね。
↑このカッコイイ動画を美しい画質で観たい方は、是非Blu-rayでどうぞ。
「SCARS ON MELODY」
「SCARS」の初のお披露目は1994年12月30日東京ドーム公演「青い夜」ですが、この時はAメロ部分がCDに収録されたものよりも1オクターヴ低く歌われています。
また、当初付けられていたタイトルは「SCARS ON MELODY」でしたが、YOSHIKIが「ON MELODY」という響きが気に入らなかったため「SCARS」に変更されました。(「Longing~跡切れたMelody~」とカブるからかな~?)
下記のレビューでは、「青い夜」の動画を載せ、オリジナルCDとの違いを書いていきたいと思います。
1994年12月30日東京ドーム公演『青い夜』
※しつこいようですが、筆者はこの頃の長髪でちょっと怖めで美しいHIDEのルックスが、セクシーで好きです☆
0:10 YOSHIKIのドラムカウントの後、HIDEのギターが始まります。当初はHIDEのナレーションはありませんでした。
0:32 HIDEのアップキター!!!!!(曲関係ない)
0:34 CD版では「yeah~yeah~yeah~yeah~yeah~」はHIDEボイスのSEなんですが、ここではところどころTOSHIが歌っています。
0:57 そして、1オクターブ下の歌唱。私は翌日の「白い夜」に参戦してて、CDよりこっちを先に聴いていたのに、この違和感何!? やっぱりTOSHIはハイトーンがいいですね。
1:09 「流し込め 今セルロイドの夢を」からCDと同じキーになります。HIDEのハモリもあるよ☆
1:21 また1オクターブ下復活。CD版に慣れた身としてはズッコケそうになる。(ごめんなさい)
1:33 「色の無い華にまみれて踊れ」でまたCDと同じキーに復活。HIDEのハモリも同様。
1:48 サビもCD版と同じ。HIDEのハモリがカッコ良すぎる☆
1:54 この角度からのHIDEのアングルいいですよね☆ セクシー過ぎて萌え死にそう・・・。
2:24 私は楽器やらない人間でよくわからないのですが、間奏のギターソロはCD版とほとんど変わらないと思います。(多分)それにしてもHIDE、なんでそんなにカッコいいの・・・。
3:09 TOSHIの「Oh~」のメロディがCD版と違いますね。やっぱりCD版の方が慣れてるからか、しっくりくる。この後絶叫してるし、後のために喉大事にしなきゃ。
3:53 TOSHI「for myself」のメロディがCD版と違いますね。
4:00 HIDEがメインボーカルみたいな映りですが、ハモリですからね。カメラマンさん、編集のYOSHIKI、明るく映ったHIDEのアップをありがとう!!(曲関係ない)
4:18 だからその角度からのHIDEは萌え死ぬって・・・。
4:41 TOSHIが最後の「Dead poem’s still screamin’」も自分で歌っています。(CD版はHIDEボイスのSEにお任せ)
1994年年末の「青い夜」「白い夜」はHIDEが美しいので、是非併せてご覧ください。
私は「青い夜」のHIDEが好きすぎるので、何度もDVD見ようと思います。
収録アルバム
YOSHIKI、28年ぶりの写真集『XY』発売
音楽家としてだけでなく、日本人男性初の『VOGUE JAPAN』や『Numero TOKYO』の表紙など、ビジュアル&ファション面でも人々の熱視線を浴び続けるYOSHIKI・・・。
『XY』はハリウッドの一流のスタッフたちの手によってYOSHIKIの美しさが余すことなく詰め込まれ、ファッショナブルでモードな写真集に仕上がっています。
また、30分にわたるメイキングDVDには、撮影の様子や女性カメラマンMelanie氏を聞き手としたYOSHIKIの撮影直後の英語インタビューもたっぷり収録されていて、ファン必見の映像です。
写真集とメイキングDVDを収録した「豪華化粧箱」、あなたのご家庭にもおひとつどうぞ♥
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【hideの母が語る7つのマル秘エピソード】hideの実家訪問編
終わりに
「SCARS」シングルレビューはいかがでしたでしょうか?
初お披露目時とCDではメロディーが変わって、バンドが音を仕上げていく様子がわかりますね。
今までにもHIDE提供曲はたくさんありましたが、「SCARS」はHIDEの存在がより強く感じられます。
TAIJIを想って作った曲なのかどうかも気になりますね。
次回は、4thアルバム『DAHLIA』レビューです。