2020年3月8日、NHK大河の「麒麟がくる」第八回が放送されました。
麒麟がくる 第八回「同盟のゆくえ」ネタバレ 感想
前回のおさらい
駿河の今川義元の動きに脅かされた織田信秀は、美濃の斎藤道三と和議を結ぶことを決める。
そのために、道三の娘・帰蝶を、信秀の嫡男・信長の妻に迎え入れたいと申し出る。
旅から明智荘に帰った光秀を、帰蝶が待ち構えていた。
幼なじみで、ほのかな恋心を抱く光秀に、今回の尾張への輿入れを止めてほしいと頼む。
一方、道三からは、口をきかなくなった帰蝶を説得するように命じられる。
光秀は帰蝶から「信長がどんな男か見てきてほしい。」と頼まれ、商人に変装し尾張の熱田の市に潜入する。
そこで偶然出会った菊丸の助言で早朝の海に出かけ、遂に織田信長の姿を見たのだった。
詳しくは、過去記事をご覧ください。:【麒麟がくる 第七回】ネタバレ 感想 ツンデレ帰蝶姫とモテ男光秀
出演者
史実に出てくる人物
明智光秀:長谷川博己
斉藤道三:本木雅弘
帰蝶:川口春奈
斉藤義龍:伊藤英明
深芳野:南果歩
明智光安:西村まさ彦
牧:石川さゆり
稲葉良通:村田雄浩
藤田伝吾:徳重聡
土岐頼芸:尾美としのり
織田信秀:高橋克典
平手正秀:上杉祥三
織田信長:染谷将太
今川義元:片岡愛之助
太原雪斎:伊吹吾郎
松平弘忠:浅利陽介
「麒麟がくる」オリジナルの架空の人物
駒:門脇麦
菊丸:岡村隆史
ネタバレあらすじ
漁師も商売もできる信長
早朝の尾張の港で菊丸と共に待っていた光秀は、船から戻ってきた織田信長の姿を認めました。
若殿にも関わらず、信長は粗末な恰好で毎日漁に出ているとのこと。
光秀が呆気に取られていると、信長は大きな魚を背中に担いで船を降り、漁師小屋でその魚を切り分け、
「一切れ一文じゃ。これを市にもっていけば高く売れるぞ!」
と、破格の値で集まった人々に魚を売っていました。
光秀は信長を「奇妙な男だ。」と思い、帰蝶に夫として薦められるのかどうか決めあぐねていました。
十兵衛、母の言葉で決心する
明智荘に戻った光秀は、帰蝶に信長との結婚についてどう言って良いのか悩み、家に帰れずにいました。
一人丘の上で頭を悩ませていると母・牧がやってきて、夫・光綱が亡くなった時を思い出しながらこう言いました。
「人が死んでも山や畑は変わらずにそこに在る。それを守っていくのが生きている者の務め。大事なのはこの国ぞ。」
その言葉を聞いて、光秀は美濃が平和な国になるために、帰蝶と信長の婚儀を後押しすることを決意しました。
光秀、帰蝶に信長との結婚を進言する
明智の館で待っていた帰蝶と、十兵衛は向き合いました。
尾張に輿入れすべきか否か、真剣な表情で問う帰蝶に対して、光秀は意を決して答えました。
「尾張にお行きなされませ。」
「光秀がそう申すのなら是非もなかろう。」と、帰蝶はその瞳に涙を浮かべながら、織田家への輿入れを決意するのでした。
帰蝶の結婚承諾に、道三大いに喜ぶ
稲葉山城に登城した光秀は、帰蝶が織田への嫁入りを承諾したことを道三に報告しました。
それを聞いた道三は、「重病だという信秀さえ片づければ、うつけと評判の信長など、どうにでもなる。」手放しで喜びました。
「これで一歩も二歩も海に近づいた。ようやった!!」と上機嫌です。
光秀が道三との対面を終わらせて廊下を歩いていると、数人の武士に取り囲まれ、斉藤義龍が話があるから付いてこいと言われました。
同行の途中の近くの林で、険しい表情の義龍と稲葉ら重臣たちが待ち構えており、光秀が着くやいなや「一緒に来い。従わねば斬る。」と柄に手を構えるしぐさを見せました。
皆の殺気立った様子からただならぬ気配を感じた光秀は、言われるまま義龍たちに付いて行くのでした。
土岐頼芸と斉藤義龍のすれ違い
↑まず、この図を見て、美濃の守護・土岐家と守護代・斉藤家の関係をおさらいしておきましょう。
光秀が連れてこられたのは、美濃の守護・土岐頼芸の館でした。
土岐頼芸は光秀を叱責しながら、
「織田信秀と道三が手を結べば、美濃も信秀の大敵である今川義元と戦うはめになる。
わしは道三の横暴を許さぬ。このこと、肝に銘じよ。」
と言いました。
それに呼応して義龍も、
「信秀との和議を潰すのじゃ。帰蝶を稲葉城から連れ出し、嫁入りを拒むのじゃ。それがそなたの役目ぞ。」
とたたみかけるように光秀に言います。
しかし光秀は動じることなく、こう自分の意見を述べました。
「頼芸様は、熱田の市をご覧になったことはありますか?
あのようににぎやかで大きな市を美濃で見たことはありませぬ。
尾張は港があり、流通が盛んな豊かな国です。
あの豊な国と戦をして、果たして美濃は勝てるのだろうか?
いっそ尾張と手を結び、一滴の血を流すことなく美濃が豊かになれば、それでいいのではないか。
今川義元が尾張の地を手に入れたい理由もようわかります。しかし攻めあぐねいている。
我らはそれを戦をせずに手に入れることができるやもしれませぬ。
この機を逃すのは愚かだと思います。」
光秀の主張に義龍は真っ向から反論しますが、しらけた頼芸は「今日は鷹狩で疲れた。わしは寝る。」とその場を去ってしまいました。
部屋に帰る途中の廊下で頼芸は、光秀の処遇を問う稲葉良通に、
「あの帰蝶の気性から考えれば、うつけの信長とは、もって1年・・・2年とはもつまい。」
と言いました。
母・深芳野に問う、義龍
頼芸がさっさと中座したことについてショックを受けた義龍は、その夜、母・深芳野に相談しました。
義龍は、父・道三を非難し、本当の父は頼芸ではないかと再び深芳野に尋ねました。
深芳野は、「それで満足ならそう思うがよい。」と肯定も否定もせず、
「ただ、それを盾として殿(道三)に立ち向かうのはよしなさい。」と義龍を厳しく戒めるのでした。
駒の失恋
その夜明智家では、明日駒が帰るため、宴が行われていました。
宴が終わった後、駒は光秀に「これをはなむけにと母上様(牧)から明智家のご紋が入った扇子をいただきました。」と話しました。
「父の形見の一つだ。母上の感謝の気持ちであろう。」と光秀から聞いた駒は、「駒の一生の宝といたします。」と言いました。
翌朝、十兵衛は駒を峠まで見送ることにしました。
駒は、「帰蝶様が稲葉山城に戻る時見送らなかったのは、本当は辛かったからではないですか?光秀様は帰蝶様を手放したくなかった。帰蝶様を行かせたくなかった。だからでは・・・?」と光秀に聞きました。
すると光秀は、「そうかもしれぬ。」とだけ言いました。
それを聞いた駒は、「わかった・・・。そのことをお聞きしたかったのです。ここでお別れいたします。ありがとうございました。」と吹っ切れた様子で、一人で京に帰って行くのでした。
帰蝶、輿入れの日
天文18年(1549)、帰蝶が尾張の織田信長へ嫁いでいきました。
和睦が話し合われて、わずか2ヶ月という慌ただしいものでした。
その頃、駿河の今川義元は、家臣の太原雪斎、そして参上した三河の松平広忠(のちの徳川家康の父)と尾張と美濃の和睦について話していました。
「長年三河は織田からひどい目に合ってきたであろう。自分が手を貸すから、松平家の汚辱を晴らし、織田と戦をするのじゃ。」と今川義元は松平広忠に命令しました。
一方尾張では、祝言の夜、帰蝶は部屋で新郎・信長が来るのを待っていました。
するとお守り役の平手政秀が現れ、「若殿を探していますが、未だ御所在が不明でございます。お許しくださいませ。」と帰蝶に詫びました。
帰蝶は呆れながら、「信長様は、今日という日をご失念あそばされたか?」と言うのでした。
次回予告
輿入れしたものの祝言をすっぽかされた帰蝶は、ようやく翌朝帰ってきた信長と顔を合わせる。
奇妙な出で立ちだが、領民のことを思いやる姿、そして素直に前日の不在をわびる信長に興味をもつ。
婚儀に上機嫌な信秀と土田御前だが、信長が持参した祝いの品を見て、激しく叱責する。
父にも母にも愛されない孤独な信長の姿を見た帰蝶は、鉄砲の手ほどきを受けながら自分も父がときどき大嫌いになる以外は好きだと言い、信長に寄り添う。
一方、美濃の光秀はのちの正妻となる熙子と懐かしい再会を果たしていた。
感想・気付いた点
若殿・信長、気さくすぎ!!
子どもの頃うつけで評判の信長ですが、領民と一緒に漁に出たり、自ら魚を捌いて売ったり、およそ若君とは思えない庶民に近すぎる振る舞い。
筆者が注目したのがこのシーンなんですが、信長が立ち去る時、領民は立ち上がりもお辞儀もせず、座ったまま手を振り上げて挨拶するだけ・・・。
信長様、そんな扱いでいいの?
(刀を渡す人はうやうやしい態度でしたが)
筆者が知っている「若い頃の信長・気さくエピソード」
祭りの夜、信長は領民に混じって、女装した姿で一緒に踊りを踊っていた。
出典:『信長公記』
恋バナシーンが現代劇みたい
帰蝶と駒は、恋のライバルでありながら身分を越えた友人でもあります。
二人は遂にぶっちゃけトークをして、お互いが光秀が好きなことを確認し合いました。
帰蝶は、「もし光秀が私を尾張に嫁に行かせたくないのなら、信長がどんな男か調べには行かないだろう。(だから光秀は私のことは別に好きではないのだ。)」と駒に敗北宣言をします。
かと言って駒は「勝った!!」と思うわけでもなく、光秀と二人きりになった夜何もなかったし、そもそも身分違いの恋ということも自覚しているので、自身も身を引く決意をするのでした。
光秀は二人の女性に思われながら、その煮え切らない態度のせいで二人同時に去られてしまい、この第八回でモテ男終了となるのでした・・・。
ラストで、駒の置き土産のお手玉で名残惜しそうに遊ぶ光秀。
今頃、「もったいないことをした。」とでも思っているのか!?
でも、次回では正妻となる煕子と会えることになるから、ちょうど良かったのかもしれませんね。(笑)
妖しすぎる深芳野
斉藤道三の側室にして義龍の母・深芳野が久しぶりの登場です。
第三回で義龍は、美濃守護である主君・土岐頼芸に
「そなたの母上の深芳野は元はと言えば、ここの屋敷で共に過ごした女性(にょしょう)じゃ。」
「そなたを実の息子のように思うておる。」
と言われたことから、自分の実の父は土岐頼芸ではないかと思うようになっていました。
義龍と道三の確執については、【麒麟がくる 第三回】ネタバレ 感想 ツンデレ姫帰蝶が可愛すぎるをご覧ください。
金にうるさく伝統を重んじない父・道三に対してかねてより不信感を抱いている義龍は、実の父が頼芸ではないかと深芳野に再び確認しに行きましたが、深芳野はのらりくらりとかわしています。
今回筆者が深芳野が妖しくて怖いと思ったのは、息子・義龍にまで色目を使っているところです。(南果歩さんが美しすぎるだけか・・・)
このシーンを見て、「我が息子・ローマ皇帝ネロを色仕掛けで籠絡し、近親相姦になってでも政治を操ろうとしたアグリッピナのエピソード」を思い出さずにはいられませんでした。
駒さん、女一人で京に戻るって大丈夫なの?
光秀への恋を諦めると決意した駒は、京に帰ると宣言します。
峠まで見送るという光秀。
そろそろ峠という所で、駒は光秀に「本当は帰蝶様が大好きだったんでしょ?」と聞き「そうやもしれぬ。」という答えを聞いて、自身の失恋を確認し吹っ切れた表情になります。
「ここでお別れいたします。ありがとうございました。」
と言ってスタスタ森の中に入って行きますが、美濃から京まで女一人で帰るなんて大丈夫なの?
・山賊とか出るよ?
・一日じゃ行けないよ?
(岐阜~京都まで調べてみたら、現代の舗装された道路でも120kmで、時速4kmで歩いたとしても30時間かかる。)
・江戸時代じゃないから、街道とか整備されてないよ?
・光秀も自分が一緒に行けないなら、供の者付けてあげなよ。
帰蝶に関して気になる三つのポイント
一つ目は、帰蝶が光秀に尾張の織田家に嫁ぐよう説得されて、
「光秀が申すのじゃ。是非もなかろう。」
というシーン。
信長ファンなら、信長が本能寺の変の際に言ったとされる名ゼリフ「是非に及ばず。」を思い出して、ニヤニヤしませんでしたか?
ここは脚本家の池端先生のファンサービスではないかと勝手に思っています。
二つ目は、祝言の夜、平手政秀に「信長が見付からない。」と謝られた後に不敵な笑みを浮かべるシーン。
平手政秀の謝りぶりはうろたえすぎて確かに面白かったですが、それでも祝言という大事な夜に新郎にすっぽかされるなんてショックではないんですかね?
父に初婚の夫を毒殺されるという悲劇を経験し、初恋の光秀に失恋したばかりの帰蝶なので、これぐらいどうっていうことはないのかもしれません。
三つ目に気になった点は、帰蝶が輿入れする際、ドラマで99.9%登場するあのシーンがなかったこと。(※筆者の視聴経験データに基づく)
帰蝶が織田家に嫁ぐ時、道三は一ふりの懐刀を与え、こう言った。
「信長はうつけ者との評判の男である。まことにうつけ者であったならばこの刀で刺せ。」
それに対し、濃姫は、
「承知しました。ですが父上、もしかしたらこの刀は父上を刺す刀になるかもしれませんよ。」
「よく言った!!これぞマムシの娘だ!!」
帰蝶の気性の強さを表す歴史ファンに好まれるエピソードですが、「麒麟がくる」では道三による前夫毒殺事件もありますし、さすがにこのやりとりは外したのかもしれませんね。
帰蝶(濃姫)のことがもっと詳しくわかる記事:【麒麟がくる 濃姫】キャスト交代で話題 濃姫はどんな人物?
「麒麟がくる」を見逃した方は
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終わりに
以上、「麒麟がくる」第八回のネタバレ、感想レポートでした。
新婚の信長と帰蝶の仲も気になりますね。
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