【京都 六角堂(頂法寺)】京都のへそ 池坊発祥の地 鳩の無法地帯

京都のへそと呼ばれている「六角堂(頂法寺)」をご紹介します。

目次

京都のへそ 六角堂(頂法寺)

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「麒麟がくる」の東庵先生の診療所は、六角堂の近くという設定です。

六角堂は京都の中心と言われるお寺ですが、観光地としてはそこまでの知名度はありません。
池坊発祥の地ということで参拝客はいけばな関係者が多く、一般の観光客は少なめです。
ビジネス街にひっそり佇んでいるお寺なため、休日は近所の人の憩いの場という雰囲気で、混雑もなく写真も撮りやすいのが嬉しいですね。
境内には桜があるので、花見の穴場としてオススメです。

由緒

淡路島に漂着した如意輪観音像を念持仏としていた聖徳太子は、用明天皇2年(587)、四天王寺建立の材木を求め、京都盆地を訪れました。太子が池で身を清めるにあたり、念持仏を木に掛けたところ動かなくなり、この地にとどまって人々を救いたいと太子に告げたため、六角形の御堂を建てて安置したといわれます。

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太子堂:内部には、太子が合掌して「南無仏」と唱える二歳像、父である用明天皇の病気平癒を祈る十六歳像、仏教の受容をめぐって物部守屋と戦った姿を表す騎馬像を安置しています。

正式な寺号は頂法寺ですが、御堂の形から「六角堂」「六角さん」と呼ばれ、親しまれています。門前を東西に走る道は現在も六角通りと呼ばれています。

(※当記事では、一般的に馴染みのある「六角堂」の呼称で書かせていただきます。)

へそ石の起源

六角堂には平安京建設の基準点となった「へそ石」があります。このへそ石を中心として平安京の東西南北の道は造られましたが、建設の際、六角堂は東西に延びる道の妨げとなってしまいました。天皇が遷座を祈願されたところ、六角堂は北へ約15m動いたという伝説が残っています。

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六角堂は下京の町衆の寄合の場であり場所もほぼ京都の中心であることから、人体にたとえて「へそ石」とも「要石(かなめいし)」とも呼ばれています。また、祇園祭の山鉾巡業の順番を決める「籤(くじ)取り式」も江戸時代末までは六角堂で行われていました。これらのことから、六角堂は京都の中心と認識されるようになりました。

現在のへそ石は、門前の六角通にあったものを明治初期に門内へ移したものです。

恋愛成就の御利益

平安時代初期、妃になる女性を探していた嵯峨天皇の夢枕に六角堂の如意輪観音が現れ、「六角堂の柳の下を見てみなさい」とのお告げを受けたため、人を遣わしてみると、柳の下には一人の美しい女性が立っており、天皇はただちに妃として迎えました。この話から「六角堂の柳に願をかけると良縁に恵まれる」という噂が広がり、「縁結びの柳」と呼ばれるようになりました。

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ちなみに嵯峨天皇には約20名人の妃がいて具体的に誰を指した伝承であるかは不明ですが、皇后である檀林皇后は類いまれなる美女だったと言われているので、おそらくそれを念頭においての伝承ではないかと考えられています。

池坊発祥の地

聖徳太子が沐浴した池のほとりにあった僧侶の住坊が「池坊」と呼ばれるようになり、聖徳太子に仕えていた小野妹子(遣隋使でお馴染みですね!!)が出家してここに入ったといわれています。(小野妹子を華道の道祖とするのは、史料で知られる限りでは近世以降のことである)

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室町時代、六角堂の執行(しぎょう)として寺の実務を担っていた池坊は、専慶・専応らがいけばな成立期において大きな活躍を見せ、華道家元の地位を確立していきました。執行は現在の住職にあたり、家元とともに代々池坊が務めています。

基本情報

正式名称:紫雲山頂法寺
通称:六角堂
宗派:天台宗
建立年: 伝・587年(用明天皇2年)
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線「烏丸御池」下車
駐車場: 近くに御池地下駐車場(有料)
拝観料: 無料
拝観時間: 6:00~17:00(納経時間 8:00~17:00)
所在地:京都府京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町248
電話: 075-221-2686
公式サイト: https://www.ikenobo.jp/rokkakudo/

拝観記

2019年5月5日、私達夫婦は実家の姫路から東京に戻る途中、京都で降りて1日観光しました。

京都府立陶板名画の庭を見た後、夫が京都にしかないメンズアパレルショップに行くといい、私はその間退屈なので近くにある六角堂に行ってみることにしました。

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案内図(公式HPより)。本堂参拝→反時計回りに散策→茶所の順に回ります。

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山門入口。石標には、頂法寺ではなく六角堂の名で刻まれていることから、お馴染みの名前ということが伺えます。

六角堂の「六の角」とは、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)によって生ずる六欲のことで、これらを捨て去って角を無くし、円満になること、すなわち「六根清浄を願う」という祈りを込めた形と伝えられています。

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山門を入るとすぐに本堂が見えてきます。明治10年再建されたもので、正面に拝堂が付属しています。

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手水舎の横には井戸の跡もありました。昔から人々が集まる中心地ということで、水が豊富な所だったと考えられます。

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ベンチを見ると、鳩が我が物顔で占拠しています。境内を見渡すと鳩だらけで、ここは人間よりも鳩が幅を利かせているお寺なんだなと察しました。

元々鳩については「平和の象徴」でいいイメージしかなかったのですが、今のマンションに住み始めた時鳩が頻繁にベランダに来るようになり、友達に「鳩がベランダに住み着いたら、糞害で大変なことになるよ」と忠告され(実際ネットで調べてみるとエライことになってた)、以来大の鳩嫌いになってしまった私。
(幸いなことに鳩を追っ払い続けていたら翌年から来なくなったので良かったのですが・・・)

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なので、羅漢像の頭の上に鳩が乗ってるのを見ると、「この鳩、羅漢様をナメてるな~。」と思ってしまいました。

「十六羅漢」の羅漢は仏の教えを護り伝えることのできる優れた僧侶に与えられた名前で、十六というのは、方位の四方八方を倍にした数で、あらゆる場所に羅漢がいることを意味しています。

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さて、鳩は放っておいて、六角堂にとって重要なへそ石をチェック。へそ石も六角形をしていますね。昭和のアニメキャラに出てきそうな出べそを思い出しました。(笑)

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親鸞堂。親鸞が鎌倉時代の初め、建仁元年(1201)六角堂に参籠し、浄土真宗を開くきっかけを得たことにちなみ、親鸞の像を二体安置しています。

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親鸞銅像。参籠を終えた親鸞が当寺から比叡山に戻ろうとする時のお姿です。「あれ、親鸞って浄土真宗じゃないの?ここ天台宗のお寺でしょ?」と思いましたが、浄土真宗が宗旨として確立したのは入滅後念仏集団の隆盛によるものだそうです。

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お寺の境内に鳥居が見えると、神仏習合の跡だな~と嬉しく思います。くぐってみましょう。

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境内の南東隅にある唐崎社は、六角堂の鎮守です。御祭神の唐崎明神は、琵琶湖畔の唐崎神社の神様で、比叡山延暦寺とも深い関係があります。かつては明星天子菩薩とも称していました。社殿には、祇園社(八坂神社)と天満宮(北野天満宮)の神様が合祀されています。

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「その白鳥、凶暴につき。」・・・太子堂の西側には、聖徳太子が入り身を清めたと伝えられる池があります。その池で泳ぐ白鳥ですが、「かみつきますので、白鳥に近づかないようにして下さい。エサを与えないで下さい。」という看板が立っていてシュールでした。

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お堂の中をのぞくと『一願成就』とかかれたたくさんの鳩みくじがお供えされていました。一番のインスタ映え写真がこれでしょう。キャラクターとしての鳩は可愛いですが、実物の鳩を思い出すとなんだかなぁ・・・。

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池坊会館入口付近にあるのは、京都御所を守るために北を向いている「北向地蔵」。その横には、小さな子供を守ってくれる「わらべ地蔵」。さらに、「地蔵山」と呼ばれるお地蔵さんの群像が続きます。

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不動明王は、大日如来が一切の悪魔を降伏させるために身を変じた存在で、怒りの形相をとり、強い法力を持っています。六角堂の境内には、不動明王の石像と木像をそれぞれ安置する堂が隣接して建っています。石不動は安永9年(1780)刊行の『都名所図会』に描かれています。

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境内を一回りしたところで、茶所で休憩します。「ハトが入ります。戸をしめてください」の文字に鳩の脅威を感じます。

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中では、ありがた~い仏様を眺めながらお茶を飲んで休憩。(「へそ石餅」というのが名物らしいのですが、私はあまり甘い物が好きではないので買いませんでした)

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茶所の違う出口から出ると、よくできたフクロウの置物を発見。「フクロウの置物ってもしかして鳩除け!?」と深読みしてしまう・・・。

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六角堂最大の謎は、「茶所前にあった備え付けのドライヤー」。水垢離(みずごり)の修行があるのか、鳩の糞が頭に落ちて頭を洗う人がいるのか・・・!?このドライヤーがある理由をご存じの方は教えてください。

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山門の外側、六角通りを隔てた飛地境内に鐘楼が建っています。戦国時代、京都に戦乱の危機が迫ると、六角堂の鐘がつかれたという記録が残っています。現在の位置は江戸時代初期までさかのぼることができ、周辺の町の人々の信仰を集めた六角堂の特徴をよく表しています。鐘は第二次世界大戦時の金属供出で失われましたが、昭和29年(1954)に再鋳されました。

終わりに

さゆり
京都のへそ「六角堂」はいかがでしたでしょうか?機会があれば、京都の中心といわれるお寺に行ってみてくださいね。

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この記事を書いた人

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