今回は、2019年2月10日(日)に行った「沖縄 平和学習① 旧海軍司令壕」をご紹介します。
※沖縄旅行シリーズをご覧になりたい方は、「沖縄 避寒旅行 4泊5日 日程紹介」が目次になっているので参考にしてください。
旧海軍司令壕とは
旧日本軍の執念が感じられる戦跡地
旧海軍司令壕は、昭和19年(1944年)日本海軍設営隊(山根部隊)によって掘られた司令部壕です。カマボコ型に掘り抜いた横穴をコンクリートと杭木で固め、米軍の艦砲射撃に耐え、持久戦を続けるための地下陣地で、4000人の兵が収容されていたそうです。
戦後放置されていましたが、数回に渡る遺骨収集ののち、昭和45年(1970年)3月観光開発事業団によって復元されました。当時450mあったと言われる壕のうち、現在は司令官室を中心に300mが復元されています。
総評
感動レベル☆☆☆☆☆ ここに来ると当時の生々しさが伝わってきて、戦争の悲惨さ、平和の尊さを感じずにはいられません。
リーズナブル度☆☆☆☆ 入場料は500円以下です。
空いてる度☆☆☆☆ 休日でも空いていました。
撮影自由度☆☆☆☆☆ 場内は全て撮影自由です。
子連れに向いてる度☆☆☆ 小さなお子様は怖がるかもしれませんが、小学生以上なら平和学習にいい所だと思います。
体験記
旧海軍司令壕を選んだ理由
私は3回沖縄旅行の経験がありますが、戦跡関係の場所には行ったことがありませんでした。沖縄の歴史を見ていくうちに、こういう場所もちゃんと見ておかなければならないと思い、今回の旅行の日程に入れました。
旧海軍司令壕への行き方
バス:旭橋(那覇バスターミナル前)より55・88・98番系統で宇栄原団地前下車徒歩5分
車:那覇空港より約15分
広い海軍壕公園の中に旧海軍壕司令壕はあります。平和な公園内に戦跡の地があるというのが印象的ですね。また、沖縄独特の立派な亀甲墓もあって度肝を抜かれました。
まずは資料室の見学から
受付で入場券購入を済ませると、まずは資料室から見るよう案内されました。
資料室入口。
入るとすぐに、司令官・太田實海軍少将の紹介がありました。
大田少将はここ司令壕で自決する直前、沖縄戦の実態を詳細に伝える電文を本土へ送っています。この文章は現代訳したものですが、最後の「(沖縄)県民に対して後世特別のご配慮をして下さいますように。」という文章を読み、配慮どころか相変わらず沖縄に犠牲を強いる日本政府の現状になんともやりきれない気持ちになりました。
1945年6月13日、海軍司令部壕で大田司令官とともに自決した人々。
大田司令官の少将旗。米兵が持ち帰ったものが2012年に遺族に返還されたそうです。
沖縄戦の経過を、年表と資料で詳しく紹介しています。
壕内で発見された銃や手製の槍、軍服などが展示されています。
注射器や薬瓶も残っていてリアルです。
兵士の結婚写真や家族宛ての手紙など。見ていて切なくなります。
壕に入場
資料室で予習を終えたらいよいよ壕に入っていきます。
たくさんの千羽鶴が添えられていて、人々の祈りを感じます。
階段を降りて入口を見上げた図。
階段を降りたところに見取り図があるので参考にしましょう。
作戦室。作戦を練るだめの重要な場所だったようです。
幕僚室。幕僚が手榴弾で自決した部屋で、弾痕の痕が生々しく残っています。
ここは、生存者の証言から医療室ではないかと推定されているそう。
つるはしを使って手作業で掘っていたというのが凄いです。
下士官室。この部屋で兵士たちは立ったまま睡眠や休息を取っていたそうです。
この出口から兵士たちは武器らしい武器も持たず出撃し、ほとんどが帰ってこなかったそうです。
司令官室。この部屋で大田少将は最後の電文を書きました。壁には「神州不滅」の額が飾られています。
司令官室の片隅に、設置されている仏様。ここでなくなった人々の冥福と平和を祈らずにはいられません。
一通り見終わったので出口に向かいます。
ここは看板があるので入口に見えますが、実は出口なんですね。
駐車場への道。何気なく見ていた風景も、壕内見学後だと違うものに見えてきます。
概要
住所:沖縄県豊見城市豊見城236
電話:098-850-4055
利用時間:8:30~17:00(10月~6月)8:30~17:30(7月~9月)
休館日:年中無休
沖縄コンベンションセンターHP: https://kaigungou.ocvb.or.jp/top.html
終わりに
私にとって、初めて行った沖縄戦跡の場所です。
人の力でここまで深く穴を掘り、人々が生活し、戦い、亡くなっていったのかと思うと、切ない気持ちでいっぱいになります。また、大田少将の沖縄の人々の労苦を思いやった最後の電文にも胸を打たれました。
沖縄観光というとバカンスの明るいイメージが先行されがちですが、こういった負の歴史があったことから目を背けてはいけないですね。南部戦跡に比べると那覇から近い場所にあるので、ここだけでも行っていただきたいと思います。
次回は、「沖縄 平和学習② ひめゆりの塔」をお送りします。