今回は、ぐるっとパス持参で①所蔵作品展は無料②企画展は100円引きで見学できる、東京国立近代美術館 工芸館についてリポートします。
2018年7月1日(土)に行った時の記事です。
東京国立近代美術館 工芸館
東京国立近代美術館 工芸館とは
明治43年「旧近衛師団司令部庁舎」として建てられたレンガ造りの建物は戦後取り壊しの対象にもなりましたが、その建築的価値を惜しむ声も多かったことから、昭和47年重要文化財に指定され残ることとなりました。そしてこの建物は美術館仕様に改装され、昭和52年に東京国立近代美術館工芸館として生まれ変わりました。
ちなみに、ここから徒歩5分ぐらいの所に東京国立近代美術館(私は”工芸館じゃない方”と呼んでいる)があり、これは昭和44年に建てられたものです。
総評
感動レベル☆☆☆☆☆ この東京に、明治時代の建物が残っていることが素晴らしい!!
リーズナブル度☆☆☆☆ ぐるっとパス持参で①所蔵作品展は無料②企画展は100円引き、なくても①150円+②企画展代のみ。
空いてる度☆☆☆☆ 休日でも混んでいませんでした。
撮影自由度☆☆☆☆ 館内の所蔵展の作品は一部を除いてほぼ撮影自由でした。
子連れも楽しめる度☆☆☆ 企画にもよるかもしれませんが、私が行った時はお子様が楽しめるイベントが用意されていました。
体験記
東京国立近代美術館 工芸館を選んだ理由
明治時代のレンガ造りの建物が残っていることと、当時軍の施設として使われていたものが現在は美術館として機能しているという歴史にも惹かれ、東京国立近代美術館 工芸館に行きたいと思いました。(よって、中の展示は二の次です)
近くにある”工芸館じゃない方”もぐるっとパス対象施設だったので一緒に行くことにしました。(同じく近くにある、ぐるっとパス対象施設の科学技術館も行くつもりだったが、時間がなくて断念しました)
東京国立近代美術館 工芸館への行き方
今回ここに行くにあたり、東京メトロ東西線竹橋駅に生まれて初めて降り立ちました。1b出口を出て橋を渡り北の丸公園の敷地に入ります。この日は真夏並みに暑かったのですが、周りは首都高以外遮るものがないので日傘必須でした。
”工芸館じゃない方”の美術館を横目に通り過ぎてナビに沿って道なりに歩くと、目標物のレンガの建物が見えてきました。
北白川宮能久親王の像
手前には、北白川宮能久親王の像があります。
親王について調べてみると、幕末に皇族の庶子として生まれ10歳で得度して門跡になるも、明治維新後還俗させられ軍人になり、留学先のドイツでドイツ人女性と婚約するも明治政府に破棄させられ、出征先の台湾でマラリアで病死・・・という周りの都合に振り回され劇的な人生を歩んだお方なのでした。
宮様の一生に思いを馳せた後、いよいよお目当ての東京国立近代美術館 工芸館へ!!
デジャヴュ!?
憧れの明治時代のレンガ造りの建物を目にしたらきっと感動するだろうと思ったのも束の間、私の中に起こったのは「あれ、これどっかで見たような?」という既視感(デジャヴュ)。
その記憶の元を辿ると、私の地元・兵庫県にある姫路市立美術館(旧陸軍第10師団の兵器庫・被服庫を活用)でした。
https://www.city.himeji.lg.jp/art/
それから、今年旅行で見かけたいしかわ赤レンガミュージアムも似てた!!ここも旧陸軍の兵器庫だったそうです。
こういう「元・軍の施設→美術館・博物館に転用」ってよくあるパターンなのかしら?
一番無難なのかもしれないけど、ホテルに改装しても面白いんじゃないかと思ったり。
さて、気を取り直して建物の鑑賞
入口を斜めから。
正面から。
裏側も回って撮ってみた。
裏側の壁の下の方に排気口みたいなのがあって、五芒星がカッコいい。
左の側面から。一般人は通れないこの出入口が気になる。
正面玄関入ったところ。シンプルながら優美。
建物の裏側の広場に頃の転がる、橋本真之「果樹園 -果実の中の木もれ日、木もれ陽の中の果実-」。ジブリのアニメに出てきそうな、謎のグロい生き物みたい。
所蔵作品展「こどもとおとなのアツアツ工芸館」(2018.6.19 – 8.26)
このタイトルから聞いて、親子で陶芸体験でもするのかと思ったら全然違いました。
”「熱」と「圧」を切り口として、アツアツなのにクールな工芸観に迫る”というテーマの、工芸展覧会だそうです。
私が行った7/1はたまたま無料観覧日でした。ラッキー♪(8/26も無料観覧日だそう)
中の作品は一部を除いてほとんど撮影OKだったので、気になる作品はどんどん写真を撮っていきました。実際、写真撮影してる人多かったです。
ここからは、自分の好みで選んだ作品を紹介していきます。
タイトルわからないけど、着物3種類。右のがお気に入り。
黒沢千春「彩漆裂罅箔屏風 華の舞」 金屏風ってだけで目出たいのに派手な柄が尚良い。
福本茂樹「四曲屏風 巴」 こういう紫好きだし、光線も好きだし、巴って名前も好き。
越智健三「樹想」 樹っていうか、船にしか見えないんだけど。木製の船ってことにしとこう。
松井康成「練上嘯裂文大壺」 この模様波みたいで好き。思わず触ってみたくなる作品です。(触れないけど)
チェスワフ・ズベル「野獣」 色使いがスペインっぽい・・・と思ったら、ズベルさんはポーランド出身らしいです。(全然違った)形も色使いも好き。
藤田喬平「飾筥 竹取物語」 どちらかというと、浦島太郎を思い浮かべてしまいました。
二十代堆朱楊成「彫漆硯箱 玄鶴」 そしてこちらは鶴の恩返し。(ベタだな~)
鈴木雅也「連鎖するかたち」 ガラスの形も、曲線の配置や色も好き。玄関に飾りたい。
増田三男「金彩壺 爆ぜる」 ポスターにも選ばれている作品です。これを見るとクリムトの金色を連想しました。
染川鐵之助「青銅 このはづく」 単純にフクロウが好きだから。
堀友三郎「寂」 単純にフクロウが好きだから、その2。
概要
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1
TEL:03-5777-8600
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日:月曜日(祝休日の場合は開館し、翌日休館)年末年始(12/28~1/1) 展示替期間
URL: https://www.momat.go.jp/cg/
終わりに
建物も良かったし、中の所蔵展も自分好みだったし、充実した施設見学となりました。
今回調べてみて、日本各地に「レンガ造りの元・軍の建物→美術館・博物館に転用」というパターンが複数存在したことに驚きました。いい気づきになりました。
明治時代の建物に興味がある人や工芸品が好きな人は、是非行ってみてください。
次回は、豊洲 チームラボプラネッツTOKYOをお送りします。