2020年のお出かけレポ・第一弾は、姫路が誇る巨刹「書写山円教寺」です。
姫路 書写山円教寺 “西の比叡山” ラストサムライのロケ地で有名
書写山円教寺とは
書写山円教寺(しょしゃざん・えんぎょうじ/正式な漢字:書寫山圓教寺)は、天台宗の別格本山です。
西国三十三所のうち最大規模の寺院で、「西の比叡山」と呼ばれ、中世には、比叡山、大山とともに天台宗の三大道場と称された巨刹です。
康保3年(966年)、性空上人の創建と伝えられています。
皇族や貴族の信仰も篤く、花山法皇や後白河法皇、後醍醐天皇が行幸したり、勅願により建物の改築・改修、建立が行われたりしました。
応永5年(1398年)から明治維新までは女人禁制の霊山だったそうです。
こんな人にオススメ
姫路城に行ったついでに、歴史的な観光名所に行きたい人
姫路城は国宝及び世界文化遺産にも選ばれている、姫路が誇る人気の観光地です。
「姫路城以外に姫路で観光する所ないの?」と思った方、歴史好きなら少し足を伸ばして書写山円教寺はいかがでしょうか?
ここは上述した通り天皇や貴族の崇敬が篤く、弁慶や宮本武蔵ゆかりの霊山として数々の伝説が残っています。
また重要文化財の建物や宝物が多数残っており、歴史的・文化的にとても価値のある、歴史好き必見の聖地です。
映画「ラストサムライ」や大河ドラマのロケ地巡りをしたい人
書写山円教寺は近年、映画「ラストサムライ」や大河ドラマ「武蔵」「軍師官兵衛」などのロケ地として有名になりました。
これらの映画・ドラマファンの方は、ロケ地として使用された書写山円教寺を回ってみませんか?
「ラストサムライ」はフィクションなのですが、宮本武蔵と黒田官兵衛にとって書写山はリアルなゆかりの地でもあります。
たとえば、宮本武蔵は一時期ここで修行していたという伝承や、養子・宮本三木之助の墓があったり、黒田官兵衛の場合は、羽柴秀吉の播磨攻めの際、官兵衛が秀吉に進言して本陣を円教寺に移させたという記録が残っていたりします。
そんなゆかりの地を回りながら映画やドラマに思いを馳せてみると、また新たな感動に出合えるかもしれませんね。
紅葉の時季がオススメ
上記のような歴史好きな方でなくても、書写山はロープウェイの眺めが最高なので、(高所恐怖症でなければ)どなたでも楽しめる観光地です。
紅葉と摩尼殿のコントラストがとても美しいので、是非11月の紅葉の時季に行ってみてください。
体験記
私たち夫婦は姫路に帰省の際、妹夫婦と甥っ子の5人で書写山に向かいました。
駐車場~ロープウェー山上駅
書写山円教寺は姫路に人気の初詣スポットということで、ロープウェー書写山麓駅前の駐車場前は少し混んでいましたが、係員の方の誘導で問題なく駐車することができました。(駐車料金は無料)
売店では団子などの誘惑がありましたが、それを断ち切ってロープウェー乗り場に向かいます。
ロープウェーの書写山麓駅手前に新しいトイレがあるので、こちらを利用されることをお薦めします。
ロープウェーも乗らないうちから(笑)、インスタ用パネルが置いてあります。
この日のロープウェーは15分毎の運行だそうです。
書写山麓駅にはロッカーもあり、バスで来た人も安心☆
ロケで訪れる有名人が多いからか、サインがズラリと並んでいます。
ロープウェー価格は、大人の往復で1,000円。
3歳の甥っ子はロープウェーに大興奮してました。
ロープウェー山上駅~摩尼殿
ロープウェーの山上駅降りてすぐ右に、写真撮影にピッタリな展望台があるので、是非旅の記念にどうぞ。
山上駅から少し歩くと、志納所が見えてきました。
志納金を払ってパンフレットを受け取り、入山します。(※山上駅⇔摩尼殿往復のマイクロバス利用は志納金に追加料金あり)
パンフレットの地図を見ながら、仁王門を目指して歩いていきます。
誰でも衝けるフリ―ダムな鐘。重厚な音が鳴り響きます。
こういうシャレの効いた標語大好きです☆
仁王門をくぐると聖域に入るとのこと。江戸時代の創建。
精進料理食べてみたいな~。
十妙院は室町時代、赤松満祐によって16歳で夭逝した娘のために建てられたもの。
十妙院を少し下った所に護法石があります。
別名・弁慶のお手石ともいい、弁慶はこの大きな石をお手玉にして遊んだそうです。
摩尼殿
坂を下りきった小さな橋の向こうに、摩尼殿がそびえ立っています。
京都の清水寺のような舞台に胸は躍ります。
摩尼殿は古いのかと思いきや、1921年(大正10年)12月に焼失後再建、1933年(昭和8年)に落慶したものだそう。
無料なので、是非入ってみましょう。
確かに、紅葉の季節の眺めは格別だろうな~。
舞台からの眺め。ちなみに摩尼殿前の売店は正月も営業してます。
摩尼殿内部はどんな感じかな?
鉦を鳴らす所、線香を立てる大きな鉢、護摩焚きなど、昔からのエンターテインメントがもりだくさん!!
家族連れも楽しんでいる様子でした。
桜の形の絵馬がとても可愛かったです。
大講堂・食堂(じきどう)・常行堂
摩尼殿の裏へ進むと、大講堂・食堂(じきどう)・常行堂の三つの堂の一角に出ます。
これら三つの建物がコの字型に立っている一画で、よく映画やドラマの撮影が行われているようです。
中心の食堂の1・2階部分が無料宝物館なので、入ってみましょう。
特別な空間で、写経体験はいかが!?(1000円)
この他にも、天正の乱(1578年)で羽柴秀吉の兵士が書いたとされる落書きの残った柱など、貴重な宝物が展示されていました。
食堂の裏には「弁慶鏡井戸」もあり、歴史好きはロマンをかきたてられますね。
奥の院
食堂の裏をさらに奥に進むと、不動堂・護法堂・護法堂拝殿・開山堂が集まった奥の院があります。
護法堂を見ると鳥居があり、神仏習合の跡が見てとれます。
展望公園方面
奥の院を見て回った後は、展望公園方面へ向かいます。
途中にお城のような石垣の遺構があり、ワクワクしました。
実際行ってみると、「展望公園」という名が付いていましたが木が邪魔であまり眺望は良くありませんでした。
ここの鐘はフリーダムではなかったです。
松平家墓所には、家康の孫・松平直基(なおもと)が葬られています。
直基は山形藩主でしたが姫路藩に国替えを命じられ、封地に赴く途上45歳で亡くなりました。
遺骨は相模国の最乗寺に葬られましたが、のちに書写山にも分骨されたそう。
ちなみに、この直基の嫡男・松平直矩(なおのり)は、2019年上映の映画『引っ越し大名!』の主人公です。
また、松平家墓所は映画「関ケ原」で、松尾山の小早川秀明の本陣のロケ地として使われたそうです。
またこの辺りには、姫路城主だった榊原家の墓所もあります。
この墓所には、榊原政房と政祐の墓碑が並んでいます。
【姫路藩は歴代藩主がコロコロ変わった藩】
江戸時代、姫路は「西国の大名が江戸を攻めようと向かった際に止める交通の要衝」だったため、初代の外様・池田家が藩主を務めたのちは、譜代大名が転々と藩主を変えさせられました。(その回数、なんと10回!!)
そのため、この書写山には歴代藩主のうちの二家・松平家と榊原家の墓所が存在しています。
白山権現
「せっかく書写山に登ったからには、中にある建物をまんべんなく見たい」ということで、一番てっぺんにありそうな白山権現まで行ってみることにしました。
しかし行こうとすると、今までの舗装された道とは違って細い獣道のようなところを歩いていくことになります。
こんな危なそうな道を3歳の甥っ子に登らせて大丈夫なのかとヒヤヒヤしましたが、妹夫婦も当の本人もヘッチャラの様子でした。
そして、到着した白山権現がこちら!!
「ここは開祖の性空上人が悟りを開いたとされる場所で、廃仏毀釈を逃れた白山権現が現存する日本の四つの寺のうちの一つ」
概要
所在地:兵庫県姫路市書写2968
入山時間:冬季8:30〜17:00/春〜秋季8:30分〜18:00(日・祝・祭日は延長有り)
定休日:年中無休
電話:079-266-3327(本坊寺務所)
入山志納金:大人500円(山上駅⇔摩尼殿往復マイクロバス付志納金:大人1000円)
書寫山圓教寺公式サイト:https://www.shosha.or.jp/
書写山ロープウェイ公式サイト:https://www.mt-shosha.info/
ロープウェー運休のお知らせ
2020年1月20日(月)から3月17日(火)まで、ロープウェー定期点検のため運休します。
※2月2日(日)・3日(月)は運行します。
詳細は書写山ロープウェー公式サイトをご覧ください。
アクセス:
姫路駅前から神姫バス「⑧書写山ロープウェイ」行きで終点下車(約30分)
山陽自動車道 「山陽姫路西インター」から東に約10分
姫路バイパス「中地ランプ」から北西に約15分
駐車場:ロープウェイ書写山麓駅に無料駐車場あり
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終わりに
姫路の書写山円教寺は、いかがでしたでしょうか?