当記事では、イランの歴史的遺跡であるナクシェ・ロスタムをご紹介します。
イラン ナクシェ・ロスタム(Naghsh-e Rostam)アケメネス朝歴代王の墓
ナクシェ・ロスタムとは
ナクシェ・ロスタムは、イランのファールス州にある古代の遺跡で、ペルセポリスからは北西約 13 kmの位置にあります。
ナクシェ・ロスタムとは、伝説の英雄「ロスタムの絵」という意味。
アケメネス朝(紀元前550 ~ 330 年頃)の王の墓で、クセルクセス 1 世、ダレイオス 1 世、アルタクセルクセス 1 世、ダレイオス 2 世、大きな4つの墓が崖に掘られています。
近くにあるナクシュ・ラジャブと併せて、ナクシュ・ロスタムは暫定世界遺産になっています。
ナクシェ・ロスタム 体験レポ
パサルダガエ観光後、私たちのツアーを乗せたバスはナクシェ・ロスタムに到着しました。
駐車場は広くて、この日ほとんど車はありませんでした。
小高い丘の手前に見える木造の建物は、入場受付とお手洗いです。
入場口に入ったところ。
崖に何か刻まれているのがはっきり見えてきますね。
一番左がゾロアスター教神殿(と思われる建物)、残り3つが王墓です。
右の崖で修復中なのが、クセルクセス 1 世の墓。
遺跡マニアとしては、足場を利用して登って王墓の中を見てみたくなります。(笑)
向かって左側の崖には3つの王墓があります。
左から、ダレイオス 2 世、アルタクセルクセス 2 世、ダレイオス 1 世、の墓。
手前に人が写っているのを見れば、この王墓のスケールがいかに大きいかわかってもらえると思います。
左の崖一番右にあるダレイオス2世の墓に近づいてみました。
ライトアップ用の照明があるので、夜は幻想的なんでしょうね。
下の壁部分に、上下2段に分かれた騎馬レリーフがあります。
上段では、王がローマ皇帝カルスを馬から追い落としている図。
下段は、国王が動物の頭の形の被り物を着けた馬にまたがった敵(インド・サーサーン朝の支配者ホルミズド1世・クシャンシャー)と戦っています。
どちらのレリーフにも、王の馬の蹄の下で死んだ敵が描かれています。
こちらは、バハラーム 2 世の「グランディ」レリーフ。
中央の特大の剣を持っているのが王で、左側の5人の人物は王冠を持っていることから、王の家族とみられます。
王の右側には 3 人の廷臣が立っており、そのうちの 1 人はゾロアスター教の司祭・カルティルではないかという説があります。
ガイドさんが「このレリーフは重要だ」というので写真を撮り、説明を聞きました。↓
クセルクセス1世とダレイオス1世の墓の間にある「騎馬叙任式図」のレリーフ。
アルサケス朝パルティアをの王・アルタバノス4世を破ったアルダシール1世はササン朝を建国し、ゾロアスター教を国教に定めて自らを「諸王の王」と称した。
左側がアルダシール1世で、右側のゾロアスター教の最高神アフラマズダーがディアデム(王位の標識であるリボンのついた環)をアルダシール1世に手渡そうとしている。
ナクシェ・ロスタムには王墓だけでなく、ゾロアスター教神殿と思われる遺跡も残っています。
聖火を祀っていたと言われていますが、諸説ありはっきりしてないそうです。
穴に降りて階段を駆け上がりたい衝動に駆られますが、叶わないのが残念でした。
ナクシェ・ロスタム 概要
所在地:Zangi Abad Village, Marvdasht, Fars Province, Region Iran
電話番号:+987143341556
営業時間・定休日・入場料は変動がありますので、直接施設にお問い合わせください。
終わりに
紀元前という時代、険しい崖に4つも大きな墓を建てたのが本当にすごいです。
レリーフも綺麗に残っていますし、ゾロアスター教神殿と思われる建物もよく残っていると思います。