【イラン】ヤズド 沈黙の塔 ゾロアスター教の鳥葬が行われていた塔

こんにちは!

当記事では、イランのヤズドの沈黙の塔をご紹介します。

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2023年11月3日に行ってきました。
目次

イラン ヤズド 沈黙の塔

ゾロアスター教が鳥葬をする理由

ゾロアスター教については、前回記事で紹介しているので参考にしてください。

火葬が当たり前の日本人からすると、「鳥葬」という響きは少しギョッとするものがあるのではないでしょうか。

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私は子どもの頃『世界のふしぎ』みたいな本で鳥葬を知って、怖いものみたさな興味が湧いたのを覚えています。

イランでは1930年代法律で禁止されるまで、ゾロアスター教の教えにのっとり鳥葬が行われていました。

 

ゾロアスター教が火葬・土葬・水葬を禁止し、鳥葬をしていた理由はなぜなのでしょうか。

それは、「火・水・風・土」を神聖なものとして考えているのに対し、人間の遺体はもっとも不浄なもののひとつだと考えられていたから。(死体の中に悪霊が存在すると考えられている)

神聖な火を使って火葬する行為は最大のタブーであるし、土に埋めると土を、水葬は水を汚してしまう。

結果ハゲワシに食べてもらい、彼らと共に天空に旅立つことで悪霊も浄化される鳥葬が選ばれてきたのです。

沈黙の塔での鳥葬の仕方

「沈黙の塔」の正式名称は「ダフマ」といいます。

石作りの円形の塔の頂上の平地に、死体運搬人が裸にされた遺体を並べて立ち去ります。

すると、動物の遺体を主食とするハゲワシが無数に舞い降り、遺体を食らい付くして白骨に変えていきます。

所要期間は一つの遺体につき数日とされ、完全に白骨化した頃死体運搬人が確認しに来て、ダフマの塔頂上部の中心に開けられた穴に骨を落とすのでした。

ゾロアスター教では魂に価値を見出していたため、遺骨を収めるお墓は作らなかったそうです。

沈黙の塔 体験レポ

2つの塔と集落跡

沈黙の塔の敷地周辺は数年前までバイクに乗った若者がたむろする無法地帯だったようですが、数年前に有料ゲートができてからそういった問題はなくなりました。

実際に来るまで知らなかったのですが、沈黙の塔は2つありました。

向かって左の高い丘が古い方。

ガイドさんの話によると、みんなが登りやすいように新しい塔は低めに造ったのではないのかという説。

 

前に見える建物は、一対の塔がバードギール(風の取り入れ口)で、真ん中のこんもりしてるのは貯水池(アーブ・アンバール)だそうです。

 

右に見える集落跡は、通夜などに使う集会場が廃墟になったもの。

 

ざっくりと廃墟と言われてますが、しっかりしてそうな建物も残っています。

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さすが砂漠!!

 

ガイドさんの案内で、集落跡の一つに入ってみました。

 

「ここは台所だよ」と説明してくれました。

向かい側には「遺族が寝たであろう部屋」もありました。

 

廃墟の屋根越しに見た沈黙の塔。

現代の日本とは違い、死と生きている人々の営みとの境目はそんなになかったんじゃないかと感じたりします。

 

ちなみにこちらは高い方の沈黙の塔です。

低い方の塔に登る

ガイドさんが「今から低い方の沈黙の塔に登ります。登りたい人は一緒に行きましょう」と言いました。

「なんで高い方にしないんですか?」と聞くと、「高い方はしんどいし時間がないからパス」とのこと。

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ま、確かにそうだよなと思いつつ、頂上目指してエッチラホッチラ階段を登ります。

こういう時、やっぱり旅行って体力勝負だなと思う・・・。

 

中腹から、高い方の沈黙の塔を望む。

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こうやって見ると、高い方も登りたくなるなぁ。

 

塔の頂上部分に入る階段に来ました。

ガイドさんから、「遺族が遺体を目にすることのないように、階段の奥すぐが見えない構造になっている」という説明を受けました。

遺体を取り扱う専門の職業の人がいて、その人たちが管理していたとのこと。

入口に入って少し左に進まないと内部に入れない仕組みになっています。

 

ここがかつて鳥葬が行われていた場所です。

中央の穴が、骨を落としていたところ。

降りようと思えば降りれる深さだけど、現在降りることは禁止されているそうです。

穴の周りは男性、その周りは女性、一番外側は子どもの遺体を寝かせていたという。

 

帰り道の階段からの眺め。

遠くには、鳥葬禁止後に始まった土葬の墓地も見えました。

沈黙の塔 概要

所在地:V9W3+62G, Yazd, Yazd Province, Iran

営業時間・定休日・入場料は変動がありますので、直接施設にお問い合わせください。

終わりに

私がイランに行きたいと思ったのは「イスラム建築を見たい」というのも大きかったですが、「沈黙の塔に行ってみたい」というのも大きな理由でした。

現在は鳥葬は行われてないとはいえ、跡地にいくだけでもかつての雰囲気を体感することができて良かったです。

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イランにお越しの際は、是非行くべきスポットの一つとしてチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

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