こんにちは!
当記事では、イランのヤズドのゾロアスター教神殿をご紹介します。
イラン ヤズド ゾロアスター教神殿
ゾロアスター教とは
ゾロアスター教は、紀元前六世紀の予言者ザラス・シュトラ(ゾロアスター)を開祖とする古代ペルシアの民族宗教です。
聖典「アベスター」によると、「宇宙の歴史は善神アフラ・マズダーと暗黒の神アングラ=マイニュ(アフリマン)との闘争であり、最終的には善神が勝利し、最後の審判と全世界の浄化ののち、新しい完全な世界を確立する」と言われています。
アフラ・マズダーの図。
祭壇の聖火を善神の象徴とするので、拝火教ともいわれています。
中国には南北朝のころに伝わり祆教(けんきょう)と呼ばれ、唐代に盛んになりました。
ササン朝ペルシアはこれを国教としたが7世紀イスラム教徒の征服によって衰微し、ゾロアスター教徒の集団はインド西海岸グジャラートへ退避しました。
現在もインドの西海岸ムンバイを中心に信者がおり、パールシー(parsee・ペルシャ人)と呼ばれています。
現在もヤズドゾロアスター教の文化の中心地です。
ゾロアスター教神殿の特徴
イランではゾロアスター教神殿のことを「アーテシュキャデ」(火の家)と呼ばれていて、神殿内では絶えることのない火が燃え続けています。
神殿内には偶像はなく、信者たちは火に向かって礼拝しますが、決して火を崇拝しているわけではないそうです。
光と善の最高神“アフラ・マズダ”を唯一神としており、火は彼にしか作れないと信じているため、信者たちは火を大切にするといわれています。
ヤズドのゾロアスター教神殿は異教徒でも見学可能なので、人気の観光スポットとなっています。
ゾロアスター教神殿見学レポ
ヤズドの金曜日のモスクを出た後、私たち一行を乗せたバスはゾロアスター教神殿に向かいました。
門をくぐると、真ん丸な池の向こうに神殿が見えます。
もっと大規模なものを予想していたので、ちょっと拍子抜けしました。
ガイドさんが「屋根の真ん中についてる鳥みたいなマークを見て」と言いました。
善の神「アフラ・マズダ」を表したシンボルだそうです。
これを見て、仮面ライダーのショッカーのアジトの鷲のレリーフを思い出したのは私だけだろうか・・・。(すみません)
アップで見ると、両翼の中心にアフラ・マズダ(=Ahura Mazdā・ゾロアスター教の神様)がいるので鷲とは全然違いますね。
ゾロアスター教のシンボルにはこんな意味があるそうです。
・アンディシェニック=良い思考(中央)
・ゴルタルニック=良い言葉(右の翼)
・ケルドルニック=良き行い(左の翼)
アフラ・マズダが持っているリングは、結婚指輪のはじまりとも言われています。
神殿内部
神殿内部はそんなに広くないです。
正面の壁中央部にガラスが嵌め込まれてあって、火が灯されている炉を眺めることができます。
さらにアップで撮影した図。
館内は礼拝に来ていたゾロアスター教教徒たちもいたので、邪魔にならないよう炎の写真だけ撮って早めに退散しました。
ゾロアスター教資料館
「敷地内にゾロアスター教の資料館があるから行きましょう」とガイドさんに促されて入場。
館内にはゾロアスター教に関するパネル展示されていました。
ペルシャ語はわからないけど、ゾロアスター教の説明文だと思われます。
ヤズドのゾロアスター神殿の夜景写真。
どこかはわからないけど遺跡チックで惹かれる。
火を描いたイラスト。
神官らしき人の衣装が黒子の白バージョンって感じで印象的です。
アフラ・マズダのレリーフの壁画。
アフラ・マズダの説明文。(ペルシャ語わかりません)
開祖・ザウシュトラの絵かな。(多分)
ゾロアスター教は鳥葬で有名ですが、イランでは1930年代に法律で禁止されたため、現在は土葬だそうです。
だから、この写真は土葬の写真なのかなと・・・。(あくまで想像ですが)
「資料館の地下にカナートがある」と言ってガイドさんに連れていってもらいました。
ヤズドのゾロアスター教神殿 概要
所在地:Yazd Province, Yazd, Kashani Rd, No. خیابان, V9JF+GGR, Iran
電話番号:+983536288386
営業時間・定休日・入場料は変動がありますので、直接施設にお問い合わせください。
終わりに
「ゾロアスター教」というのは世界史で習ってぐらいで日本人には馴染みのない宗教だと思いますが、当記事を見て少しでもこんなものなんだなと感じてもらえたら嬉しいです。
ヤズドの拝火教神殿は異教徒も見学可能ですので、是非行ってみてください。