今回は、小学生の私が夢中だった工藤静香の初期の曲の中から、1st~3rdのシングル曲をご紹介します。
まだ10代の工藤静香が強力な作家・プロデューサーに支えられながらどのように音楽シーンを駆け上がっていったのか、懐かしい映像と共にお送りします。
工藤静香1st~3rdシングル曲
静香を支えた作家・プロデューサー
工藤静香のソロデビューから続く快進撃は、本人の歌手としての実力はもちろんのこと、周りを固める作家やプロデューサーの支えによるところも大きいです。
曲紹介をする前に、まずはそんな凄い方たちの紹介をします。
2人の作詞家
秋元康はおニャン子クラブの仕掛人ですが、おにゃん子クラブ解散のタイミングで工藤静香をソロデビューさせた功績は大きいです。そんな秋元康は、1st「禁断のテレパシー」、2nd「Again」の作詞も担当しています。
3rdでは、松井五郎が「抱いてくれたらいいのに」を作詞を担当。ソロシンガーの風格を身に付け大人びてきた工藤静香にピッタリな歌詞を書いてくれて、流石だな~と思いました。
この後も松井五郎は工藤静香の名曲をたくさん作り出しています。
2016年には、松井五郎が工藤静香に提供した全28曲をコレクションした3枚組CD「My Heartful Best ~松井五郎コレクション~」を発表しました。
作曲:後藤次利
後藤次利はおニャン子クラブやうしろ髪ひかれ隊の作曲を手掛けていましたが、工藤静香についてはデビュー曲から22曲目までのシングル曲を全て担当し、長くタッグを組みました。
当時売れっ子作曲家で多忙を極めた彼は、工藤静香の曲は丁寧に作っていましたが、とんねるずは10分で仕上げていたそうです。(それでもちゃんとヒットさせてるのが凄い)
秋元康作詞・後藤次利のゴールデンコンビによる、とんねるず「ガラガラヘビがやってくる」。1992年リリース。初のオリコン1位を獲得し、ミリオンセラーを記録した自身最大のヒット曲。
プロデューサー:渡辺有三
また、初期の工藤静香の活躍を挙げる上で、ポニーキャニオンのプロデューサーである渡辺有三の存在も欠かせません。
1988年の映像。静香に優しくレコーディング指導しています。
その2では、彼女の才能を見抜き、どのように売り出していくかを語っています。中盤から後藤次利も出てきます。
2014年の葬儀では静香が弔辞を読み、いかに彼に大事に育てられ、慕っていたかがよく伝わってきます。
聴いているともらい泣きしそうになりました・・・。
そんな、工藤静香を支えた素晴らしい作家・プロデューサーにも着目しつつ、各曲紹介をしていきたいと思います。
各曲紹介
それでは、工藤静香の記念すべきデビューシングル「禁断のテレパシー」、2nd「Again」、3rd「抱いてくれたらいいのに」を当時の映像と共にご紹介します。
1st「禁断のテレパシー」
肌は小麦色で髪もまだ伸ばしかけ、という飾り気のなさが初々しい。
成績
1987.08.31リリース。14.6万枚。オリコン週間1位、ザ・ベストテン2位、歌のトップテン3位。
おニャン子にも後ろ髪ひかれ隊にもなかった歌謡ロックを歌いこなし、好成績の華々しいソロデビューを飾りました。
曲解説
「夕焼けニャンニャン」最終放送日に発売された、禁断のシングル・・・ならぬテレパシー。
アイドルっぽくない歌謡ロックで、おニャン子クラブはキャピキャピ、うしろ髪ひかれ隊はクール(時々キャピキャピ?)、工藤静香は大人っぽい歌という感じに作家陣は作り分けてるのかな~と思いました。
まだあどけない表情と、不良っぽいイメージの皮ジャンのパンツスタイルがギャップ萌えします。
1997年、「おニャン子解散ファイナルコンサートで、ソロデビュー曲の披露」という状況で、他のおニャン子メンバーの羨望と嫉妬の眼差しを一身に浴びながら歌っています。(このコンサート、静香のソロの時だけレーザービームが使われたとか、静香が挨拶しても誰も返してくれなかった等のエピソードあり)
この歌唱力と堂々たる姿を見て、「やはりこの人は別格」と感じさせられました。
2017年はデビュー30周年記念ということでTV出演も多く、この映像では作曲の後藤次利もベーシストとして参加しています。30年の時を経て、工藤静香がデビュー曲を歌ってくれるのはファンとして感慨深いものがあります。
私は3rdシングルで工藤静香のソロデビューを知ったので、この曲はリリースの翌年1988年に初めて聴きました。当時の思い出は「曲はかっこいいいし、切ない歌詞で好きだな~」というのと、歌詞に出てくる「夜のプールバー」をプールのあるバーだと勘違いしていたということです。(笑)
2rd「Again」
「これぞ工藤静香」と言わしめるすだれ前髪登場です。スーツは着てるけどまだあどけなさが残る。
成績
1987.12.02リリース。15.9万枚。オリコン週間3位、ザ・ベストテン6位、歌のトップテン9位。
前作よりセールスは上がっているのですが、周りが好調なためか順位は軒並みランクダウン。次が勝負どころですね。
曲解説
「禁断のテレパシー」と同路線の歌謡ロックですが、この”デビュー曲の二番煎じ”説については、プロデューサーの渡辺有三が「おニャン子の色を払拭する為に敢えて初めから似た尖った曲調を2曲続ける方針だった。この2曲は兄弟曲。」と語っていました。戦略の1つだったんですね。
「Again」はMVも作ってて、最近存在を知って嬉しかったです。やはり不良っぽさをイメージした仕上がりになってます。すごく大人っぽいけど、まだ17歳なんですね~。
私は3rdシングルで工藤静香のソロデビューを知ったので、この曲もリリースの翌年1988年に初めて聴きました。当時思ったことは、「禁断のテレパシーと同じ路線だけど、この曲も好きだな~」「”ハートの黒い十字架”ってどんなアクセサリーなんだろう?」ということです。(笑)
3rd「抱いてくれたらいいのに」
※ここからリアルタイムで工藤静香がソロ曲を出していることを知り、本格的にハマッていくのでした・・・。
角度とかポーズとかバックの色が、一昔前の演歌や歌謡曲のジャケットっぽいと思うのは私だけでしょうか・・・。
成績
1988.03.02リリース。18.2万枚。オリコン週間3位、ザ・ベストテン6位、歌のトップテン7位。
デビュー曲から順調に売り上げを伸ばしていますね。ランキングも健闘しています。
曲解説
工藤静香が好きなロッカバラードで、自身も「本当に歌いたい歌を初めて歌えた」と語っています。
1stは別れの予感を感じて怯える少女、2ndは許されぬ恋に罪の意識を感じる少女、そして3枚目は「抱いてくれたらいいのに」と訴える大胆な女性の曲で、あどけなさを脱ぎ捨てて大人の女性になっていく過程を感じさせます。
渡辺有三は、「3枚目は、彼女はすごくこぶしが上手なので、胸キュンじゃなくて根性が欲しい”踏んばりのバラード”を歌わせる」と言っていました。私はまさにこの戦略にハマッたわけですね。
当時の思い出として、姫路のあるお好み焼き屋さんに入るとこの曲が流れてて嬉しくて、また行けば聴けそうな気がして親に連れてってとねだった記憶があります。(笑)
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終わりに
工藤静香のデビューシングル~3rdシングルのレビューは、いかがでしたでしょうか? 工藤静香を盛り立てようとするブレーンの奮闘ぶりも伝われば嬉しいです。
初期の工藤静香のシングル曲を聴きたい方は、「gradation」がオススメ。1st~5thまでのシングルのA・B面全曲収録されています。(私が初めて買ってもらった工藤静香のアルバムです)